リウマチは全身に生じる疾患であり適切な診断のもと治療にあたる必要があります。
リウマチによって生じる生活上の課題を解決し、より幸せな日常生活につなげられるよう治療に当たります。
リウマチ治療の流れ
① 医師による診察・診断
リウマチによくみられるような症状があるか診察をしたうえで、血液検査やレントゲン検査などを行ない、診断をします。
リウマチの症状は様々あり、他の疾患と似たような症状を催すため、専門の医師に受診することが大切です。
② 治療
当院では、その方の症状や病期に合わせて治療を選択します。
主に、薬による治療、日常生活の指導、リハビリテーション、基礎療法を総合的に考え、患者さま一人一人に合った治療プランをご提案します。
薬での治療について
リウマチ治療薬には、
- 消炎鎮痛薬(NSAIDs)
- 抗リウマチ薬(DMARDs)
- ステロイド
- 生物学的製剤
を主に用いて治療にあたります。
消炎鎮痛薬(NSAIDs)
痛みを緩和させるための薬です。根本的な症状の緩和ではありませんが、比較的即効性があり、痛みの緩和には有効です。ただし、胃腸に負担をかける薬ですので、適量を適切なタイミングで服薬することが必要です。
抗リウマチ薬
抗リウマチ薬は、もっとも広く用いられている薬で、リウマチによる免疫の異常に対して作用することで、症状の進行を抑えるのに効果的です。
当院ではメトトレキサート製剤を第一選択薬として処方していますが、病状や年齢、腎機能に応じて他剤を検討します。
また1か月~半年単位で適切な量や他の抗リウマチ薬に切り替えたりなどしながら、薬の効果を検証していきます。
ステロイド
ステロイドは炎症を抑えるのに効果的です。抗リウマチ薬や消炎鎮痛薬の効果が十分でない場合に、ステロイドを用いて、強い関節の腫れや痛みの緩和のために処方します。
ステロイドは、他の疾患(骨粗鬆症、感染症など)につながる可能性があるので、医師の診察のもと、限定的に処方しています。
生物学的製剤
炎症を引き起こすサイトカインの働きを抑えるので、炎症を大幅に軽減することができます。そのためリウマチの症状の進行の抑制に効果的です。
一方で感染症などの副作用も考えられますので、インフルエンザや肺炎球菌の時期にはワクチンを受けることをおすすめします。
尚、投与の頻度や時期については、医師から十分な説明を致します。
リウマチのリハビリテーションについて
薬による治療によって、一定の効果が期待できますが、リウマチは関節に症状がでる病気ですので、適切に関節を動かしていないと、関節がかたまって動かなくなってくることがあります。
当院では、主に理学療法士による治療と物理療法による治療を実施します。
理学療法士は、適切な関節の動かし方、生活習慣の指導を行います。また、リウマチに罹ると運動に消極的になる方が多く、筋力が低下している方も多くいらっしゃいます。理学療法士が患者さまの身体をしっかりと評価したうえで、運動の指導も行います。
物理療法では、専門の機器をもちいて痛みの鎮痛、筋肉の血流の促進などを実施します。
手術
症状の進行が進み、関節が硬くなり、日常生活に支障が出る場合は、手術を行うことがあります。
主に下記のような手術があります。
① 人工関節置換術
リウマチの症状が進んでいる方に対して行います。
関節の骨を切り取って人工の関節に置き換えます。
これによって、関節の機能が回復し、腫れや痛みが軽減します。
② 腱形成術
リウマチによって手の指を動かす腱が切れてしまう場合があります。
その切れた腱を残っている腱に縫い付けて、再度指が動くようにします。
③ 滑膜切除術
滑膜が炎症を起こしていると痛みにつながります。そのため、炎症が起きている滑膜を切り取ることで、腫れや痛みの軽減につなげます。
④ 関節固定術
主に、関節の破壊が進み、関節のぐらつきがでてきてしまっている方に実施します。
関節の骨と骨をくっつけて固定することで、痛みの解消につなげる手術方法です。
ただし、関節を固定するので、日常生活に支障が出ることがあります。
以上のように、手術を行う方法もありますが、手術はできるだけ行わないことが、患者さまの負担軽減につながります。
ぜひ、早期に発見して早期から治療を受けられるよう、少しでも気になられた方は、お気軽にお問い合わせください。